日本列島改造論 (1972年)
田中 角栄日刊工業新聞社
日刊工業新聞社
作者は、金権政治の権化のようにいわれ、ひっそり表舞台から去った。この書物も、「金権のバイブル」と呼ばれて、政策本から葬りさされて久しい。しかし、本書は、「不世出の政治家」と呼ばれた作者が長年にわたり発想した各種政策の集大成としてまとめられ、「政策の源泉」となりうる名著である。作者の事件と本書を分離して読むことは難しいとは思われるが、現在の日本の問題点を解決するヒントを得られる書籍である。秋の夜長を過ごす友としたらどうだろうか。
みずから考えること (1966年) (角川文庫)
ショーペンハウエル角川書店
角川書店
ショーペンハウエルは多読をつつしみ、
<br />みずから考えることをすすめている。
<br />博識と学者について
<br />著述と文体について
<br />読書と書物について
<br />言葉と単語について
<br />心理学的覚え書
<br />など現在
<br />入手しにく短編を多く含んでいる。
<br />
<br />
<br />
森繁自伝 (1977年) (中公文庫)
森繁 久弥中央公論社
中央公論社
朝日新聞報道写真傑作集〈1951-1957〉 (1951年)
アサヒカメラ編集部朝日新聞社
朝日新聞社
私の夢・日本の夢21世紀の日本 (1977年)
松下 幸之助PHP研究所
PHP研究所
本書は、1976年に松下幸之助氏が2010年の日本のあるべき姿を描いたものです。
<br />2010年の日本が、世界で最も尊敬される国になっており、
<br />各国からの視察を受けている、という会話形式で
<br />全500頁の壮大な国家ビジョンが展開されています。
<br />
<br />素晴らしい2010年の日本のあるべき姿は、
<br />残念ながら、今の日本とは大きくかけ離れています。
<br />・経済(力強い中小企業、国営から民営へ 等)
<br />・企業経営(株式の大衆化、ダム経営、対話しつつ調和する労使)
<br />・教育/宗教(自他相愛の精神、人間をつくる義教育)
<br />・国土と社会(過疎過密のない社会、美と調和の観光開発、進む食糧ダムづくり)
<br />・政治(議院選出の方法、政治家とその処遇、生きがいを伴う社会福祉)
<br />
<br />いずれも、
<br />こうだったらいいよね、と誰もが思うことの
<br />本当に逆を今の日本はやっているんだ、、、と愕然としながら読みました。
<br />
<br />一体、何が足りないのだろうか?
<br />何から着手したらいいのだろうか?
<br />
<br />きっとあるべき姿はみんな思い絵がきているはず。
<br />しかし、ただ、ただ、瑣末な議論に動けなくなっている。
<br />
<br />大切なのは、
<br />「長期の国家ビジョン」をみんなで共有すること。
<br />そして、まずは人間としての「人間観」をもつこと。
<br />さらに「日本人としての自己認識」を確立すること。
<br />
<br />いずれも、今の日本には欠けており、
<br />現実とのギャップは大きすぎます。
<br />しかし私たちは挑戦しなくてはいけない、と思いました。
エヴァ・ライカーの記憶 (1982年) (文春文庫)
ドナルド・A.スタンウッド文芸春秋
文芸春秋
’79年、当時、国内・海外の区分けがなく、一緒にランキングを発表していた第3回「週刊文春ミステリーベスト10」で第4位になった作品。
<br />
<br />物語は1941年、真珠湾攻撃直前のハワイで起こったアメリカ人観光客夫妻の殺人事件から幕を開ける。あまりの惨劇にホノルル警察の巡査ノーマンは職を辞することになる。そして1962年、いまや人気作家となった彼の元に、ある富豪からタイタニック号引揚事業に関するルポ執筆の依頼が来る。21年前の事件の被害者がタイタニック号の生存者だったことから因縁を感じたノーマンはこの申し出を受ける。
<br />
<br />第1部の<事件−ザ・ピースズ>は文字通り世界各国を飛び回り、取材するノーマンが描かれる。しかし、新たな殺人事件が起きたり、自らも命の危険にさらされたりする。すべての謎を解く鍵は、富豪の娘でタイタニックからの生還者、1912年当時10才だったエヴァの“失われた記憶”の中にある・・・。
<br />
<br />第2部の<解明−ザ・パズル>でノーマンは関係者一同を集めて、これら時空を超えた謎を解き明かしてゆく。なんとこれが200ページを超えるボリュームなのである。そして文字通りすべてのパズルがはめ込まれた時、壮大などんでん返しと犯罪計画が浮かび上がり、驚愕の真相が明かされる。
<br />
<br />とにかく質・量共に圧倒的な謎また謎の連続、かつ第1部が暗号解読の趣向も含めた、スリルに満ちた冒険小説であるとすれば、第2部は本格謎解き小説とパニック小説である。
<br />本書はまさに‘巻措く能わず’のページ・ターナーであり、全編にわたってサスペンスフルなエンターテインメントのフルコースである。
<br />
日本人の脳―脳の働きと東西の文化 (1978年)
角田 忠信大修館書店
大修館書店
深代惇郎の天声人語 (1976年)
深代 惇郎朝日新聞社
朝日新聞社
現在は書店での入手は困難なこの本ですが、公共図書館では所蔵されているところが多いようです。
<br />天声人語という、限られた字数の文章に、心を揺さぶられ、涙を流したことがあります。
<br />
<br />この本の中にある「手の長くなる薬」。
<br />サリドマイドという薬害の被害者である少年が、語った一言が、深代惇郎さんのペンを動かし、自分の涙を呼びます。
<br />
<br />「ことばでつたわること」 ことばの力を信じることのできる掌編がつまっている一冊です。
<br />
ぼくが猫語を話せるわけ (1978年)
庄司 薫中央公論社
中央公論社
日本改造計画
民主党政権ということで、小沢氏の国家構想を読み解く上で
<br />非常に参考になる本である。1993年出版ということだが
<br />この時点で国家戦略局の原型となるモデルが紹介されており、
<br />今読んでも十分役立つ内容だと思う。
<br />
<br />本書を読んだ上での今後の民主党政権はどうなっていくかだが、
<br />自衛隊や歴史問題は従来の自民党の見解とそう変わらないと思う。
<br />またこの時点で地方分権を提唱している点も評価できる。
<br />
<br />不安点は極端な自由貿易化が起こらないかということ。また
<br />本書では不法入国者の保護を訴えているが、それは国内の雇用
<br />を犠牲にしてまでやることだろうか?
<br />
<br />有名な国連中心主義についても書かれている。が、国連待機軍
<br />の整備は今議論するのは民主党にとってプラスにはならないだろう。
<br />
<br />最後に小沢氏に日本の舵取りを任せられるか、という点だが、
<br />これは真っ平御免だと言わざるを得ない。まず本書を書いた時点
<br />で小沢氏が自民党中枢で宇野〜宮沢内閣を実質動かしてしていた
<br />ことは国民の周知の事実である。にも拘らず湾岸戦争他の政府の
<br />不手際を全て首相官邸他の制度の不備に求めるのはいかがなものか?
<br />
<br />そもそも本書を読んで感じたことは小沢氏が政治改革万能主義者
<br />だということだ。首相の権力集中やサポート体制の整備は確かに
<br />重要だが、首相も人である以上求められる人物像や思想があるはずだ。
<br />本書はそういった国家観がまったく語られていないし、自らの金脈
<br />問題や過去の反省も一切ない。
<br />
<br />本書には「日本人のようにはなりたくない」と言ったアメリカ人の
<br />話が紹介されているが、小沢氏は過去の誠実な日本人の良さを本当に
<br />理解しているのだろうか?彼のいう日本改造が全て完了したとき、
<br />まだその国が日本と呼べるかどうか、はなはだ疑問である。
田中角栄と国土建設―「列島改造論」を越えて
そもそも道路特定財源とかガソリン税とか第六次道路整備五カ年計画なんて、五カ年計画って聞いただけで社会主義的だし、日本隅々まで高速道路を通すとか、上越に新幹線を通すなんて、国民のみなを高速道路をバンバン作って、新幹線をどんどん通すなんて、ナチスのアウトバーン構想(これはワイマール体制を引き継いだ遺物ですが、)みたいで、自民党の保守政治家が道路特定財源をそのまま残せといって、共産党が(HP上の書記局長の発言から)ガソリン税、道路特定財源を一般財源にまわせって言っているのが全く逆で、あほらしくって、共産党のガソリン税を福祉に回すというのもおかしな話ですが、話が横にそれましたが、今の道路特定財源を形作ったのが、田中角栄を中心とする議員立法だし、食費が家計に占める割合が貧しい家庭ほど高いと言うのがエンゲル係数といいますが、ここで金持ちほど高い食料や
異形の将軍―田中角栄の生涯〈上〉 (幻冬舎文庫)
良くもも悪くも戦後日本政治のひとつの「型」となった田中角栄。その生涯を描く本は数多くありますが、本書は歴史物を特異とする津本陽氏の夕刊紙連載を単行本(文庫本)化したもの。
<br />文庫前巻の本書では、新潟県の農村に生まれた角栄が東京にでて建設業で一旗あげて政界入り、政権中枢に近づいていくまでを描きます。
<br />角栄のひととなりがよく分かる人情的なエピソードや描写が多く描かれるのが津本氏ならではの特徴か。涙もろく、部下を可愛がる様子が、角栄の(ある一面での)魅力を浮き彫りにしているようです。
<br />一方で、政界入りした後の出来事は淡々と描かれていて、メリハリがなく退屈な印象を受けます。
<br />もとが夕刊紙の連載だけに「小説」「評伝」いずれとも言いがたい中途半端さが感じられてしまいます。また、他のレビュアーも評しているとおり、引用が多すぎて「細切れ感」は否めません。
<br />津本氏も書き下ろしではないだけに作品としての完成度を求められるのは不本意かもしれませんが…。このあたりは出版社が無理やり単行本にした、ということの悪影響といえるのでしょうか。
異形の将軍―田中角栄の生涯〈下〉 (幻冬舎文庫)
下巻は、自民党幹事長から総理総裁へ上り詰め、その後、汚職による辞職、死に至るまでの角栄の後半生。
<br />庶民(特に選挙区民)のためを思い、陳情に対して即断即決で優先順位を決め、政策を実行していく姿が、ライバルであり性格的にも政策的にも正反対の福田赳夫などと対比させながら描かれます。
<br />小説とも思わせる写実的な描写と会話表現は歴史小説を得意とする津本氏ならではです。津本氏には角栄の戦後政治における功罪を問うような意図はなかった(少なくとも読み手には感じられない)と思わせる内容で、角栄の「人間力」(良くも悪くも)にフォーカスした角栄本といえるでしょう。それは、個々の政策や政治手法に対して一切コメントがないことでも伺えます。
<br />本書の使い方としては、1.単純な読みものとして楽しむため(夕刊紙連載を読む感覚)、2.田中角栄を(政治家ではなく)人間として知るため、3.今後読みたい参考文献を探すため、といったところでしょうか。完成度は高くないので、この本だけで田中角栄という政治家を知るには物足りなさが残ります。
国土計画を考える―開発路線のゆくえ (中公新書)
戦後経済の発展に伴い、生活環境充実・地方振興のための国土開発計画:全国総合開発計画が作られた。しかし、これらが経済計画からブレークダウンされた物で、過去度々修正されたのにも関わらず国民生活・地方生活に寄与せず、その逆に首都一極集中や地方の乱開発と失敗をもたらした様を一全総(1962)から五全総(1998)に渡って検証している。<p>これを下に後半はこれからの国土開発の見直しと方向性をしめし、日本人としての生活環境を考察している。<p>経済一辺倒の国土開発を改め、農業・田園都市・地方分散などの生活大国日本へ向けての基礎作りを提案している著書といえる。